野菜のそこは植物のここ

普段食べている野菜、その植物のどこを食べているかわかりますか。
植物のどの部分を食べているかがわかると、その食べていない部分がどうなっているのだろうか、その野菜はどんな植物なのか気になってきませんか。
料理で出てきたり、お店で並んでいたりする野菜としての植物たち。そんな場面で見せてくれている姿は、野菜植物たちの、ほんのワンシーン、ひと欠けらの姿でしかないのです。
そんな姿に、少し近づいて、ちょっといつもより細かく見て、野菜や植物を楽しむためのお話です。

植物のパーツのいろいろ

人の体には、頭や腕、脚、胴体そして内側には様々な内臓などいろいろなパーツがありますね。魚には、ヒレやウロコがあったり、鳥には翼やクチバシもあったりと、生き物には各々に多種多様なパーツがあります。植物も生物として例外なく様々なパーツを持ち合わせています。植物にはどんなパーツがあるでしょうか。植物といえば、もっぱら典型的なパーツはというと、「草」、それはもちろん最も目にすることが多いでしょう『葉』、つまりは葉っぱの部分。そして、美しさを際立たせてくる『花』、くわえておいしさも与えてくれる『果実』。また、もしかしたら普段はあまり目にしていないかもしれないが、植物がそこにある根拠の元、『根』、根っこです。そんな、植物にはどんなパーツがあるでしょうか。

植物のよく見る部分の大半が、この『葉』ではないでしょうか。大半であるのもそのはず、『葉』は土の上にできる部分だからです。ハスやホテイアオイのような水生植物では、水の上ともいえますが。このように、人の目に触れることの多い部分ですね。また、成長している間、他の部位に比べて比較的長い間、その形を見せてくれているからでしょうね。
見た目は、平たく楕円形のものや、シュッと細長くとがったようなもの、ギザギザとしていたり、ごわついているものもあれば、薄く毛が生えているような『葉』もあります。色合いは、大半が緑色です。それもあり、森や野原、畑や庭など植物が旺盛な場所を「グリーン○○」というように表現したり、名付ける場合も多いですね。しかし、中には紫色や赤色、黄色など、場合によってはそんな色が、模様のように入り混じっている『葉』もあります。また、秋からは「落ち葉」という形で、地面に落ちた『葉』も目にすることもありますね。
そんな『葉』の役割は、光合成や、呼吸、蒸散があります。光合成では、『葉』が光を受けることで、大気中の二酸化炭素を取り込んで酸素を放出します。その際に、二酸化炭素の炭素分を利用して、自ら栄養を作り出しています。この栄養とは糖分です。主にグルコースというデンプンの素になりますが、この栄養を使い、自らの体をより強く作り、呼吸をはじめとした生きる活動の源としても利用します。この栄養は、糖と表現するように、野菜に甘みをもたらすもや、デンプンのように粘り気を出すもの、食物繊維として食感につながっていきます。
人でいうところの口や鼻から肺、胃をはじめとした消化器官のような役割に加え、太陽光パネルのようなエネルギー供給システムがある、ハイブリッドなパーツ、それが『葉』です。

『茎』は主に体を支えながら、葉の光合成でできた栄養や根から吸い上げた水や養分を体全体に生き渡らせるメインストリート的な輸送機関の役割があります。その通りに、『茎』には地上部で葉がつき、地下部では根へとつながっていく植物の体全体の中継地点の様です。「茎」というのは主に草花や多くの野菜などの草本類で使われる名称で、樹木などの堅く丈夫な木質化した木本類の植物においては「幹」と呼ばれる。「茎」も「幹」も同じ役割をもった同じ部位を表しています。
見た感じからしてもですが、植物体の主体のような部位にあります。季節変化や水の量が少なく乾燥すると花や葉が落ちたりしますが、『茎』は最後まで残ります。そのようなことからも、植物体の本体とも考えられます。
『茎』は人でいうところの背骨としての役割や大動脈・大静脈といった大きな血管を含めた胴体です。また、水量や季節により葉を落とすことで、体の水量をコントロールするような制御機能をイメージさせるようで脳やせき髄といった中枢神経のようなコントローラーシステムを感じさせるパーツです。

この世界を彩る代名詞『花』。植物体が成熟した段階で、もしくは成熟する時期に色とりどりに咲き誇る植物のパーツです。食用とするものよりは、観賞用で目にするものがほとんどです。食用にするものは、花開く前段階「つぼみ」の段階で食されることが多いかと思いますが、食べることのできる「花」ももちろんあり、エディブルフラワーという区分されています。
『花』には、多種多様な色合いと香りがあります。
同じ種類の植物でも、異なる色の『花』を咲かせるものもあります。『花』の色に関しては、訪花昆虫と呼ばれる、蜜を吸いに来る虫たち、例えばミツバチやアゲハなど、に自身の花のありかを見やすくするために、様々な色合いとなったといわれます。ミツバチをはじめとした昆虫は、人とは色の認識、見え方が異なっているので、人の感覚では判断のしにくい色味も感じて探索しているのかもしれませんね。また、アジサイのように、土の状況が酸性からアルカリ性のどちらかに傾いているかによって、つまりは水素イオン濃度の程度によって色合いが変わる植物もあります。
『花』の香りには、人々をリラックスさせるような良い香りのものもあれば、腐敗臭をはじめとした不快臭を漂わせる花もあります。もちろんその『花』それぞれの香りを人がどう感じるかに関しても、好き嫌いの分かれる個人差が大いに関係があるので、一概にどの花の香りがどうだとは簡単にいうことはできません。どうしてこんなにも香りも多様なのかというと、これもまたその植物にとって有益な昆虫をおびき寄せるためといわれています。人間にとってはあまり好ましいとはされないトイレの臭い、そんな香りを漂わせるといわれる花があります。それがラフレシアですが、名前だけだと某ポケ〇ンのキャラクターでご存じの方も多いかもしれませんが、世界最大の花とも世界一臭い花(クサ〇ハナの最終進化なだけありますよね。)とも呼ばれています。そんなラフレシアですが、この花にとって有益となる訪花昆虫は、ハエなのです。そのため、腐敗臭による習性の高いハエの好みそうなかおりの臭いを放つともいわれています。
そんな『花』ですが、その『花』を咲かせる植物にとって有益な昆虫を、そこにおびき寄せり理由はというと、花粉を運んでもらうため、つまり受粉を手伝ってもらうためといわれます。そんな花には、雄しべ(花粉をもつ)や雌しべがあり、また蜜があります。虫たちはその蜜や花粉を集めに来ますが、その際、花に体がつくことで雄しべの花粉が体につくことなどを経由して、雌しべに花粉がつき受粉に導くのです。
また、中にはそんな花らしい『花』を持たない植物もあります。裸子植物やイネ科植物などがそれらです。先に記したような色とりどりで香り様々な人のイメージする花らしい『花』ではないですが、『花』という部分は持ち合わせています。これらの植物の場合は、訪花昆虫を頼った受粉活動行沸いません。代わりに「風」を利用した受粉が行われるため、「風媒花」と呼ばれます。虫を頼る必要がなくなったため、その花の派手派手しさを必要としなくなったとされています。
これらのことからも判断がつくように、『花』というパーツ、植物という生物の生殖器官といえます。

『根』は植物の体全体を支える土台として、主に土の下、地中で広がっています。そのため、普段より目にする植物の部位ではない為、あまり植物と触れ合うことの多くない人にとって見ると、未知の世界かもしれません。
また、『根』の役割として、土の中にある水分と養分を吸収して体全体に送り届けます。『葉』で構成される栄養と『根』で吸い上げる養分の違いは、『葉』の栄養は糖つまりは有機物に対し、『根』から吸い上げる養分はミネラル分を含む無機態の養分の違いがあります。人の食事で例えるとすれば、『葉』の栄養が主食となるお米などの炭水化物に対して、『根』からの養分は副食などのお肉や魚、サラダや漬物、汁物はたまたサプリメントやプロテインと考えられるかもしれません、あくまでもイメージですが。どちらの栄養も養分も、生命活動と共に体作りには欠かせないものです。
また、基本的には土中にある『根』ですが、地上部にある茎の節から発生する「不定根」と呼ばれる『根』もあります。水や養分を貯蔵して肥大化した『根』もあり、食用にされている種も少なくありません。中には『根』のように見えても、「地下茎」といった『茎』由来のものもあり、それを見た目だけで区別するのはなかなか難しくも思えるほどです。
土の中にあるミネラル分のうち、カリウムやカルシウム、マグネシウムといった陽イオンは土の粒子に普段くっついていますが、根が呼吸することにより、養分として吸収しやすいよう引き離す作用を引き起こしてもいます。
そんな『根』は、人の体でいうところの小腸として表現されることもあるパーツです。つまりは消化、栄養分の吸収を行う部位と近しい作用をする部位ということです。昨今の腸内細菌のテーマのように、植物の根の張っている周囲の土壌空間である「根圏」に関しても微生物や様々な菌の多様性が、植物の生長生育に寄与することも言われます。小腸(しょうちょう)に似た作用をもたらす部位『根』は、確かに普段はあまり目にはしていなくても、実質としては植物の“象徴”となるパーツなのかもしれません。

この野菜はどこの部分?

先に、野菜や植物の部位を少し書いてみました。植物の体にも様々な部位があり、そして様々な用途がありました。そんな植物の体のどこの部位を、普段野菜として食べているのか、具体的な野菜と共に実際に見ていきます。
今回は、日本国内で“指定野菜”と設定されている15品目の野菜に焦点を当てて、それぞれの野菜が植物の体のどこかを探索していきます。

指定野菜とは?

“指定野菜”という言葉ご存じですか。指定野菜とは、日本国内において、国の農林水産省によって、特に重要として選定されている野菜を指す言葉です。どのように重要であるかというと、国民の食生活に必要な野菜を安定的に生産・供給する目的において、という事となっています。視点を変えてると、最も代表的で、普段よく目にする、そして口にすることの多い、超メジャー野菜といったところでしょうか。2026年度から追加されることが内定されたブロッコリーを加えて、以下の全15品目になります。

  1. キャベツ
  2. ほうれん草
  3. レタス
  4. ネギ
  5. タマネギ
  6. 白菜
  7. ブロッコリー
  8. きゅうり
  9. ナス
  10. トマト
  11. ピーマン
  12. 大根
  13. にんじん
  14. 里芋
  15. ジャガイモ

そんな指定野菜から、普段どこを食べているのかを見ていきましょう。

1.キャベツ

丸々と結球したキャベツ/縁取り[黒]

「千切りキャベツ」や「野菜炒め」、「ロールキャベツ」から焼肉屋での「やみつきキャベツ」なんかもありますね。そんなキャベツ、普段どこを食べているのだろうか。これは比較的わかりやすい部分かもしれませんね。それは、葉っぱ、そうです、『葉』です。そして、葉の緑色の部分、そこは『葉肉』と呼ばれる部分になります。中には「紫キャベツ」のように緑じゃなく主に紫色の『葉肉』も観られますね。その葉の中心には、よく“芯”といったように呼ばれる白い部分があり、そこから網目状に白いネットがかぶっているかのようになっていますね。その“芯”と呼ばれる部位は、繊維がしっかりしているため、調理の際には省かれることが多い部分ですね。そこからの網目状部分も、緑色の部分に比べると、“芯”ほどとは言わぬものの、比較的歯ごたえを感じるほどの繊維質感があります。この“芯”から始まる網目状部分は『葉脈』と呼ばれています。その『葉脈』の中でも、“芯”を『主脈』、そこから出るひと回りずつ細くなる網目状部を『側脈』と呼ばれます。

葉肉(ようにく)

葉肉は、葉っぱのの中の主だった部分と称せる部分です。「Q:葉っぱといえば?」「A:緑色のひらひら!」的なかたちで、そのThe緑を形成している要素がこの『葉肉』に含まれているからです。先述したように葉の主な役割には光合成があります。その光合成をおこなうが、この緑色を呈する要素を含んだ部位です。それは『葉緑体(クロロプラスト)』と呼ばれる器官で、たんぱく質や炭水化物でできています。そうです、つまりは言葉通り、「肉」です。葉っぱのお肉です。

葉脈(ようみゃく)

葉脈は、葉っぱの筋っぽい線状や網目状になっている部分です。この部分は、根から吸い上げた水や養分を葉に巡らせたり、葉での光合成で作られた栄養分を葉から送り出したりする通路です。つまりこれは葉上の「維管束」になります。こと『葉』という箇所に注目して考えると、根から出発してきた養分や水分の経由、はたまた到着地点、そして、葉で作り出された栄養分の出発地点となります。要は、ターミナルのような存在としてみることができるわけですね。また、この葉脈は、食材として食したときに筋っぽく感じる部分です。筋っぽく感じるという事は、噛み切りにくい、つまりは繊維がしっかりとしていて堅いということです。その通りに葉の構成においても十分に硬い部分で、『葉』における基礎躯体、いうなれば骨組み的な役目も果たしています。コンクリートが重厚に積み重ねられたトンネルのような構造がイメージできるかもしれません。
葉脈の役割は上に書いたような感じですが、葉脈は葉のビジュアルにも寄与していると思いませんか。つまりは、葉の“模様”のようにも見えるからそう感じるのです。そんなデザインを生かしたクラフトが「葉脈標本」です。葉脈の筋っぽい固さと巡っている模様を生かして処理される作品です。食べる以外の『葉』とのふれあい方のひとつです。

主脈(しゅみゃく)

葉脈の中で明らかに最も太いラインを『主脈』と呼んでいます。その太さが同等で複数本ある場合もありますが、キャベツの葉で見る「芯」の部分のように、最も太いラインが葉の中央にみられる場合もあり、この様相は多くの種の植物に見られます。この中央ラインは「中央脈」とも呼ばれます。

側脈(そくみゃく)

主脈から枝分かれて伸びていくラインが『側脈』です。側脈は、主脈から枝分かれした後、さらに枝分かれし、また更にというう形で広がり、網目状のようなデザインを形成しています。主脈から枝分かれた最初の側脈を「一次側脈」、その次の枝分かれからの発生を「二次側脈」というように数え分けられ呼ばれます。ただし、枝分かれではなくラインごとに見ていくと、主脈自体を「一次脈」、一次側脈が「二次脈」というように数え呼ばれます。

キャベツの『葉』において、‘芯’の部分は『葉脈』の『主脈』でした。『葉脈』は骨組みの役割、つまり『葉』というユニットを物理的に支えている骨ですね。『葉脈』、特に「主脈」に関しては、『茎』だと思っていた方もいたのではないでしょうか。役割だけで見てみると、担っていることがほぼ同じなので当然であるだろうし、それ故に構造、形状が近しいものに見えてしまうのも当然のことでしょう。では、普段食べているキャベツに茎はあるのでしょうか。それは、もちろんあります。どこかというと、丸い球体の状態だと、お尻の部分からしか見えません。お尻の部分とは、葉っぱの縁が重なっている部分と反対側、葉っぱ、あえて言うと「主脈」の太い側です。そこにある、切断面、主脈がつながっているような丸い部分、そこがキャベツの『茎』になります。球体の状態では、その見方くらいしかできませんが、半分に縦に中央で割ると、その茎の断面が改めてみることができます。葉っぱが生えてくる基盤のように、ペンシル型とでも称せるような、先端が尖がる三角形のように桃された断面の形状を披露してくれます。これがキャベツの『茎』です。調理をしているときなんかには、何気に目にしているかもしれません。しかしこの部分も、主脈と近しく、固さでいうとより一層繊維質が強いため、これまた主脈同様、‘芯’と呼ばれ切除されてしまうことも多いでしょう。もちろん調理の仕方によっては、十分おいしく食すこともできます。個人的には、味噌漬けなどは美味に感じております。

2.ほうれん草

一般的なホウレンソウ一株/縁取り[黒]

深い緑色で、アメリカンアニメーションの「ポパイ」のパワーアップアイテムでもわかるように栄養がたっぷりな、元祖スーパーフードとも呼べる野菜のひとつ。まるで「ホウレンソウ=野菜をしっかり食べた」とでも思えそうなほど栄養価値の高いイメージがついています。その豊富な栄養素の代表成分が「鉄分」。「鉄分」は人において、体全体に酸素の運搬を行う重要な役割に関わります。ホウレンソウは野菜の中で「鉄分」の含有量が多く有名です。それに加え、その鉄分の吸収、つまりは人の体の成長や代謝の際に、ホウレンソウから摂取した「鉄分」を有効に使うために必要なサポーターとなる「ビタミンC」も豊富に含まれています。つまりはホウレンソウを食べることは、体により有効に鉄分を供給できるイメージと合致するため、“栄養たっぷり”ののれんがついているのでしょうね。
そんなホウレンソウですが、この野菜はどこを食べているでしょうか。おわかりの通り、ほうれん草も『葉』が主に食べられています。いわゆる葉っぱ、葉肉周辺に加え、葉脈(中央脈)の延長上に茎のように伸びる部位もよく食べますね。この部位は、葉柄(ヨウヘイ)と呼ばれる部位で、これも葉のパーツの一部にあたります。また、ほうれん草をよく食べている方は、ほうれん草の『根』も食べているかもしれませんね。冷凍ものをはじめとしたカットされている状態のホウレンソウを選んでいる方は、『根』が切除されていることが多いので、なかなかお目にかかることがないかもしれません。生のホウレンソウから食べる機会が多い方は、ごくごくわずかですが『茎』も食べれているかもしれません。“食べれているかもしれません”というのは、通常ホウレンソウとして食べている植物状態での『茎』部分はごくわずかしかないからです。茎と見間違いそうな『葉柄』はあくまで葉の一部と分類されるので、基本的にホウレンソウの『茎』と『根』は希少部位となりますね。食味も、葉肉より濃い甘みが蓄えられていることもあり、それに加えほのかな土の香りものっており、捉えようによっては希少珍味かもしれませんね。

葉柄

葉の葉脈、主に主脈かつ中央脈の延長上になり、茎へと接続している部位です。葉柄を除いた葉肉や葉脈をまとめて『葉身』と呼ばれ、『葉』の構成は『葉身』『葉柄』『托葉』の3パーツから構成されています。(『托葉』とは、一部の植物に見られる『葉柄』と茎の接続部にできる小さな葉状の部位です。)『葉柄』がどんな役割がある部位かというと、『葉身』を支えることと、葉脈の延長線上からわかるように、根から吸い上げた水分や養分、葉の光合成で得た栄養の通り道になっています。この『葉柄』も葉身をさせる骨格をなしていることから、比較的にしっかりとした繊維質があります。そのため、ホウレンソウをはじめとした葉柄を食する野菜は、収穫時の成長具合、もしくは鮮度具合によっては、繊維質が強すぎて舌触りや口当たりが悪くなることもあります。

3.レタス

シャッキッとみずみずしさを感じる球レタス/縁取り[黒]

サラダの定番野菜のひとつ「レタス」。より一般的に想像できる球状のレタス、いわゆる「結球レタス」といわれる品種をはじめ、球状にならない「リーフレタス」と大きく2種類に分かれつつも、様々多種多様のレタスがあります。もちろん食べている部位は『葉』です。細かな部位もキャベツと同じく見ることができます。その葉の色合いや形状も、同じレタスともいえど多種多様で、たくさんの色んな葉っぱが入ったサラダも実はレタスだらけだったなんてこともあるでしょう。食味としては、第一に食感、シャキシャキとかつ弾け出るみずみずしさがよく際立つ野菜です。またほのかな苦み、品種によっては強い苦みなど、アクセントづけにも利用できる野菜です。

4.ネギ

きれいな白身の長ネギ/縁取り[黒]

薬味の鉄板といっても過言ではないネギ。もちろん主役としてネギ焼きでたしなむ贅沢もまた一興。そんなネギですが、一般的に食用としてのネギは大きく2つの種類に分けられます。それは、「長ネギ」と「青ネギ」です。「長ネギ」は東日本、「青ネギ」は西日本でそれぞれが主力のネギとされている説もあります。「長ネギ」は「白ネギ」や「根深ネギ」、「青ネギ」は「葉ネギ」とも呼ばれます。両者は栽培品種の違いはもちろんありますが、根本的に異なるのは栽培方法で、種からそのまま育てていくと「青ネギ」のような成長を遂げ、「白ネギ」のように成長させるには、葉の一部を土に埋めるなどして光合成を抑える栽培管理を要します。そんなネギは一体どこを食べているのでしょうか。キャベツ、ほうれん草、レタスよりは少しわかりずらいかもしれません。それに「長ネギ」「青ネギ」で異なるような気もしますが、実は両者ともに食しているのは『葉』になります。「青ネギは『葉』を食べているけど、長ネギは『茎』じゃないのか?」と思いたくなるかもしれませんね。それは“非常に惜しい”というのが回答で、“まんまと騙されているな”というのも答えかもしれません。なぜなら、その『茎』に見えてしまう「長ネギ」のパーツは『偽茎』と呼ばれる部位で、文字を見てわかるように「偽の茎」と読み取れます。実際は『葉』の一部で、内側の新葉を中心に包み込むような形状をしており、『葉鞘』と呼ばれます。という事から、ネギは主に「長ネギ」も「青ネギ」も『葉』が食用にされているのです。またもや、「では茎はどこにあるのか?」、ネギの茎は上記の3種の葉物野菜よりもいっそう薄く見づらく存在していて、『葉』、細かく見ると『偽茎』の付け根と『根』の間部分になります。非常に規模が小さい部位になっているので、ぜひ注意深く見てみるとよいでしょう。

葉鞘(ヨウショウ)

葉柄が肥大することで鞘状に内側の新葉(脇芽)を保護する形状となった部分であり、葉柄同様の葉身を支える骨格的役割や水分や養分、栄養の運搬経路としての役割もあります。ネギにおいては、葉身としての緑色の葉っぱ部分のパッと見の付け根、股状になっている部分より根の方向が『葉鞘』となります。「長ネギ」ではより分かりやすく、白い部分が『葉鞘』部分、つまり「長ネギ」は葉鞘部分にあたる日光を抑制した軟白栽培と考えられるでしょう。

偽茎(ギケイ)

葉鞘が新葉(脇芽)から順次内側の葉鞘を包み込むように形成し、筒状となっていくと、まるで『茎』のように凛々しく立ち上がる様相となります。この『茎』の様に形成された葉鞘の束状の姿を『偽茎』と呼びます。ネギも然り、イネやタケノコなどのように、剥いても剥いても剥ききれないような円筒状のおおよそは同様に『偽茎』であり、茎のようにしっかりしつつも、実は葉の束なのです。

5.タマネギ

一般的な茶色い皮のタマネギ/縁取り[黒]

薄くスライスして生でもよし、厚く切って食感を残した炒め物もよし、刻んだものは生でソースに、加熱して料理のベースにも優秀な香味野菜のタマネギ。薄い皮の中に白いいつまでも剥ける部位を持つタマネギは、そのいつまでも剥け続ける部位を主に食用としていますが、それは何の部分なのでしょうか。キーワードは「いつまでも剥け続ける」です。そうです、ネギと同様です。『偽茎』と呼ばれる『葉』なのです。この部分は、剥ける一枚一枚が葉の一枚一枚となります。葉というにしても一枚一枚が非常に厚いこの葉は、特に『貯蔵葉』と呼ばれ、栄養を蓄えたはです。またこの『貯蔵葉』が茎、実際には球状に近く球根ともいわれるこの『貯蔵葉』の重なったまとまりを『鱗茎葉』と呼びます。また、この時の実際の茎は各『鱗茎葉』の発生部分から根の生える部分までにあるギュっとした部分です。つまりは、タマネギをみじん切りやスライスする際に基盤として最後までくっついている部分、最後に残し廃棄する部分です。この部分を含めたいわゆる球根状態の部分を『鱗茎』と呼びます。「茎」と呼ばれたり、球根のように「根」と呼ばれたり非常にどこを食べているのかわかりにくい植物ですが、タマネギのメイン食材部分は『葉』なのです。ネギと同様に考えれると、『葉』においても『葉柄』部分が『貯蔵葉』へ変化していることもあり、『葉身』(葉肉)の部分、つまりは緑色の「The 葉」はなかなか食べられていません。基本的に葉が枯れ倒れた状態で収穫されたタマネギが主として流通しているのでお目にかかることも少ないのかもしれませんが、「新タマネギ」や、それよりもやや早い時期には「葉タマネギ」として小さな『鱗茎』と『葉身』がついた『葉』全体を満喫できる場合もあります。見つけた際にはチャンスかもしれませんね。

貯蔵葉(チョゾウヨウ)

葉の光合成で得た栄養を蓄え肥大し、多肉質になった『葉』の一部分です。タマネギ一枚一枚向けているそれぞれが、太陽光を元に形成された糖分を蓄えた一枚一枚の葉です。タマネギを切って涙が出る理由は、決してその太陽からの光合成で蓄えた自然の恵みの神秘さに感動して出るわけではありません。

鱗茎葉(リンケイヨウ)・鱗茎(リンケイ)

貯蔵葉が複数重なったり、鱗のように多重に密集する場合の貯蔵葉が『鱗茎葉』。葉というだけあり、根元で茎に接続される『鱗茎葉』はその根元にある茎と一体としてみたとき、『鱗茎』と呼びます。序盤で記したように、『茎』というの植物の本体として捉えれる節がある故なのか、大半が葉で形成されている組織といえども、「茎」の名称で表現される部位、それが『鱗茎』ですね。“先”に鱗茎に注目し、その葉の部分が“後”に注目して「鱗茎の葉部」で『鱗茎葉』なのかもしれませんね。

6.白菜

大きな白菜/縁取り[黒]

お鍋の醍醐味、漬物でも大活躍な白菜。昨今は気温の上昇が激しく価格も高騰しがちな白菜ですが、この野菜はどこを食べているのでしょうか。ここまで読んでいただいている方なら、すでにおわかりでしょうが、もちろんのこと『葉』ですね。キャベツやレタスと同様ですが、その二つに比べて明らかに『葉柄』部分が肥大しているようで大きく、食材として食べるにも活躍しています。そして、繊維質感もキャベツやレタスよりも食べやすく感じるかもしれませんね。旨味と水分が程よい具合で含まれた『葉柄』はハクサイの縦方向(付け根部分から葉先方向)に繊維が走っています。なのでその繊維方向に切って食感や形を残したり、はたまた繊維方向を横切った方向でクタクタにトローリ食感をたしなんだりと調理方法にも工夫もできます。また、寒い時期から暖かくなる時期を経由する栽培では、菜花も発生し、季節の食材として楽しむこともできる野菜です。

7.ブロッコリー

プリっとしたブロッコリー/縁取り[黒]

2026年度へ向けて、指定野菜へ内定することとなったブロッコリー。栄養はもちろん、食感旨味もしっかりとしたブロッコリーですが、どこを食べているのでしょうか。緑色なので、『葉』を食べていると思う方もいるかもしれませんし、茎を食べていると思われる方、はたまたそのシルエットさながら木を食べていると思う方もいるかもしれません。ほかのイメージする野菜に比べると、食用としてみている見た目があまりにも異なっていて、はっきりとした部位を想像しづらいかもしれませんね。このブロッコリーですが、メインで食用にしている部分は『葉』ではありません。『葉』は食べていないとまでは言いませんが、なかなか食べられていることは少なく思われます。それは、店頭に出回るまでに葉が切除されていることが大半だからです。では一体どこか。ブロッコリーといえば、やはりコリっとした触感、もちろん“ブロッコリー”という名の由来になったわけではありませんが、歯ごたえの良い食感も一つのポイントの野菜です。歯ごたえがいい、つまりは繊維がしっかりとしている、つまりは『茎』ではあります。あの木の幹のような胴体、あの部分が『茎』なのです。では、茎の上にあるブロッコリーの醍醐味容姿のボンバーヘッド部分は一体何でしょうか。あの部分は、いずれ花を咲かせます。ボンバーになっている元の深緑の粒々、その粒一つずつから華が開きます。つまりは花を咲く前、粒々一つずつは花の蕾(つぼみ)なのです。ブロッコリーのボンバーヘッド部分は、蕾の集合部分であり、『花蕾(カライ)』と呼ばれます。蕾の中には花が形成され始めているので、捉え方によっては、『花』を食べていることと近しいですね。前述の白菜にて菜花に少し触れましたが、ブロッコリーの食用としている部位はその菜花と同じ存在理由をもった部位だという事です。ちなみに、生育状況によってはその『花蕾』の隙間部分から『葉』が割り入ってくる「リーフィー」というう症状もありますが、もしそんなブロッコリーと出合っていた場合は、ほぼ必然的に『葉』も一緒に食べているでしょうね。そんなブロッコリーは、主に『茎』と『花蕾』を食べているのでした。

花蕾(カライ)

ストレートにいうと“つぼみ”です。花が咲き開く前の状態部分です。いずれは花となる部分、つまりは受粉につながり種子を残していく生殖器官です。食事として考えると、肉食イメージで転換するとコブクロやキンカン、白子というような生殖器由来のホルモン部分かもしれません。そんな希少部位で、花開く前、美しく咲き誇る一歩手前。ほのかな香りと旨味を感じることができるのは、そんな奇跡的で刹那的なワンシーンを切り取った、いや、刈り取ったことにもよるのかもしれない…。

8.きゅうり

一般的なまっすぐ伸びたキュウリ/縁取り[黒]

そのまま一本丸かじりしたくなるキュウリ、漬物・ピクルスの主体やサラダでも食されることの多いキュウリ。この野菜は何を食べているのでしょうか。われわれは、この野菜は『果実』を食べています。キュウリの果実は雌花になります。キュウリのお花は見たことありますか。見たことある方もない方も、その花が雌花か雄花かわかりますか?いわゆる花、つまりは花びらが開いた状態に注目しただけでは、なかなか区別するのが難しいかもしれません。ただ、「果実は雌花になる」という事を頭の片隅に置いて眺めてみると、案外一目瞭然に判断がつくと思われます。それはなぜか。キュウリの雌花には、花の後ろ、つまりは花の付け根の先に小さなキュウリがついているのです。それが雌花です。そしてその小さなきゅうりが成長し肥大した姿のものが、普段食用としてみるキュウリとなります。それに加えて、キュウリは受粉せずに果実が肥大し生長します。例えてみれば、普段スーパーで手にすることができる鶏の卵、つまりは無精卵のようなものかもしれません。

果実

種、種子を包み込んでいる部分、卵でいうところの白身のイメージかもしれません。葉で光合成された栄養などが蓄積されて典型的に甘さが現れたりするパーツです。この部位は種子を守って生かすための部位として考えられています。ではどうして栄養を蓄えておく必要があるのかというと、他の動物たちに種を運んでもらうために、魅力的なカロリーという栄養を蓄えているとも考えられています。なので、自信をもって頬張れる部位なのです。ただし、人間の場合はたいてい種子を生かす方向にはならないのですが。とにもかくにも、食材として魅惑的な、「卵」っぽい部位なのです。

9.ナス

きれいに色づいたナス/縁取り[黒]

ナスは一般的に紫色の野菜として出回り、『果実』部分を食用としています。クセがない野菜なので、様々なジャンルの料理に使用できます。品種が多種多様かつ、その見た目も多種多様なため、料理の見た目としても、味わいとしても様々な品種を楽しめる野菜ですね。そんなナスですが、ほとんどが水分で構成されたヘルシー野菜で、栄養素の含有量は決して多くはないものの、比較的万遍なくビタミンやミネラルを含んでいます。その中でも、よく注目される栄養素「ポリフェノール」は、色のついた「表皮」部分に含まれ、その成分は水に流れ出やすいため、調理の際に工夫が必要な場合もあります。食べるときには皮ごと食べることが醍醐味のナス。キュウリの際に、『果実』は「卵」のようなパーツの食材と表現しました。ナスも同様に『果実』で、表皮も楽しむ野菜ということで、「卵」で表現すると、「殻」ごと食べることが醍醐味な、丸ごと卵を食べる美食のような、そんな食文化を与えてくれるパーツを食べる野菜です。まさにアメリカでは「エッグプラント(Eggplant)」と呼ばれているように。

10.トマト

完熟した赤い大玉トマト/縁取り[黒]

野菜の定番中の定番となったトマト、もはや説明不要で『果実』を食べているというのはご理解いただけるでしょう。生で食べることも加熱して食べることも多いトマトですが、旨味成分の含有量が非常に多いこともあって、ケチャップ、トマトソース、ホールトマトなど料理のベースや調味に利用されることも多く、非常に多く利用されている野菜のひとつといえるでしょう。また、その有用性ゆえに必要性や期待値も高いのか、研究や様々な品種改良も行われている植物のひとつともいえるでしょう。トマトの中身は大まかに、もっとも外側から「外果皮(ガイカヒ)」「中果皮(チュウカヒ)」「内果皮(ナイカヒ)」という組織で構成され、そこから「子室(シシツ)」と呼ばれる「種子」が眠る場所へ到達するような、重厚な仕組みでできています。その「子室」の中では「胎座(タイザ)」という組織が種子へ繋がり保護しています。トマトも最初に記した通り『果実』部分であり、キュウリやナスのように「卵」として表現できると思いますが、その非常に複雑化して神秘的な様子は、より動物的な構造の神秘さにも近く感じるかもしれません。つまりはまるで哺乳類が妊娠した際の子宮の中の神秘さのようなものが、より具体的に垣間見てイメージできるようーな部分の野菜かもしれません。

外果皮(ガイカヒ)

一番外側、つまりトマトをもったときに触っているツヤツヤ部分です。いわゆる“皮”です。調理の際には、口触り、舌触りを気にして、熱湯に浸し剥いてはがす部分ですね。

中果皮(チュウカヒ)

外果皮のすぐ内側にある部分です。果実内の栄養や水分の通り道となる「維管束」がたくさん通った部分。この部分『中果皮』はいわゆる果肉部分の大半として食しています。つまりはトマトの実の肉質、「The トマト肉」の部分です。ジューシーでもあるこの部分は、もしや皮下脂肪的な部分として例えるのもいかがなものだろうか。

内果皮(ナイカヒ)

中果皮から次の組織との境目となる薄い膜上の皮です。食用として取り扱う際には、なかなか注目もせず、気づくことも少ない部分です。改めてトマトをスライスした際には、注目し目を凝らして確認したいものですね。

子室(シシツ)

子供のへや(室)と書いて『子室』。書いて字のごとく、種子が保管・保護されている実際の部屋、エリアです。ここにたどり着くには、外果皮、中果皮、内果皮の果肉迷宮を経なければいけません。ここまで踏まえてみるといかにも妊娠した子宮のようなイメージと結びつきそうな構造と感じます。この部屋では、『胎座』という部分に種子が接続され、中はゼリー状の物質で満たされ種子が保護ざれています。

胎座(タイザ)

子室にて種子の座する場所となる『胎座』ですが、これまた読んで字のごとくというように、哺乳類動物の妊娠時での胎盤やへその緒と同様の役割をイメージできる母と子をつなぐような神秘的な部位です。また食材としたときのトマトのゼリー部ですが、この『胎座』から由来して形成されているゼリー様物質で構成されています。まるで羊水を思わせ、より一層構成に神秘さをもたらすパーツです。

11.ピーマン

ハリのあるピーマン/縁取り[黒]

ピーマンもキュウリ、ナス、トマトと同じく食用としている部分は『果実』です。ただ一般的な調理では、果実全体ではなく、下処理として中のワタ部分を取り除いて食しますね。そのワタの部分というのは、種子周りの『子室』や『胎座』部分になります。では、食用としている部分はというと、外果皮、中果皮、内果皮といった果皮の部分となります。もちろん、ワタの部分を食すこともできます。

12.大根

きれいな青首ダイコン/縁取り[黒]

大きく長い、おでんをはじめとした煮込み料理はもちろん、サラダや漬物だけでなく、大根おろしとしてサッパリ感を与える薬味としても利用できる、多岐にわたる食材のひとつ大根。「大きな根っこ」と書かれた大根は、もはやおわかりの通り、その大きな『根』を食材として主に利用されています。ただあまりにも太く大きなこのダイコンは、本当に『根』なのかと思えるほど、他の植物に比べ立派な姿をしています。このような根を『貯蔵根(チョゾウコン)』と呼ばれ、水や養分を蓄えています。また、その中でも大根は『多肉根(タニクコン)』と呼ばれる種類の『貯蔵根』になります。よくお店に並んでいる大根は、「青首大根」と呼ばれ、根の上の方が緑色に染まっている大根です。根の上の方としましたが、実はその部分、その緑色に染まった“青い部分”は『根』ではないのです。では一体何なのか。それは、大まかにいうと『茎』なのです。ただし、厳密には「一番最初の茎」、つまり種の中にいる頃から、目を出して本葉が出るまでに体全体の軸となっている部分『胚軸』という部分なのです。大根はそんな『胚軸』と『根』がたくさんの栄養を蓄えた部分なのでした。『根』については、序盤に「腸」のような役割があると述べました。そんなことから考えると、大根の『根』というのはまるで、下っ腹にたくさんの脂肪というスーパーエネルギーを蓄えたおなかのようなイメージかもしれませんね。よく立派に大きくなった大根を、「よく太った大根」なんて表現される場合がありますが、まさにそんな感じかもしれませんね。そんな大根ですが、『葉』ももちろん食用にされることがありますね。ふりかけやみそ汁の具なんかに利用されることが多いですね。また、なかなか目にすることはないかもしれませんが、大根の『花』もナバナのようにして食べることができ、種になる前の未熟なサヤもまるでインゲン豆かの様に食すこともできます。それぞれやはり大根なだけあって、爽やかな香りと共に大根おろしの辛味に由来するような味愛を楽しめます。また、種からはエネルギーの塊の「油」を搾りとることもできます。つまり、すべてを食べきることができる植物なのです。一部界隈で「ホールフード」という野菜や果物を可能な限り捨てるところなく食し、より様々な栄養素をしっかり取り入れていくという分野がありますが、大根はまさにその一歩、体感するには最も適した食材のひとつかもしれませんね。ちなみに、『胚軸』を『胚軸』として、『茎』はどこにあるのかというと、胚軸の上から葉の付け根までの、おおよそ円錐状の薄い部分が『茎』にあたります。もちろん食せます。

貯蔵根(チョゾウコン)

根の中でも、水や栄養をたくさん蓄えて貯蔵している太い、いや太った根のことを『貯蔵根』と呼びます。その蓄えられた水分や栄養分は、一定期間したのち、もしくはもともとあった母体から離れた場合に利用されます。花を咲かせ種子を形成する場合や、新たな地上部の葉を形成する際に用いられます。それゆえにエネルギーに満ち満ちて、食べ応えのあるパーツなのですね。実際はヘルシーだとしても、脂肪のようにまるまると太ったパーツです。

多肉根(タニクコン)

貯蔵根の中でも、「主根」と呼ぶ一番しっかりしまっすぐ真下へ伸びていく根が大きく太り、またそれと同時に最初の茎である『胚軸』も同様に太ったタイプのものが『多肉根』と呼ばれます。つまりは最初に芽吹いた際の双葉以下の部分が大きく太り切ったタイプのものです。いわゆる市場に出回るような、まっすぐ大きく太った大根は、成長まで一切のくじけなくまっすぐ素直に育った象徴なのかもしれません。

胚軸(ハイジク)

種の段階から形成が始まっており、種の中で潜んでいる、「The Origin」の一部です。芽を出す際に、根を軸に最初の子葉を持ち上げる、最初のデッドリフトをするための基礎的な力を備えた背筋部と考えることができるでしょう。そののちも子葉を支え続け、若く小さい頃の成長を担う茎として姿勢を支える、大事な腰や骨盤としてあるようなパーツです。

13.にんじん

オレンジ色のよくある葉付きニンジン/縁取り[黒]

ダイコン同様にしっかりと大地に突き刺さるニンジンもまた『根』を食している野菜のひとつです。形態としては非常にダイコンと近しく、ニンジンもまた『貯蔵根』であり『多肉根』です。その通りに『胚軸』由来の部分の茎部を持ちますが、大根ほど大きく広がらず、葉の根元付近のわずかに色が濃いような部分のみです。また、なかなか見ることが少ないかもしれませんが、『葉』も食すことができます。ニンジンの葉は爽やかで少し甘さを感じるような清涼感のある香りをしています。好む人の中では、ニンジンの『根』と『葉』を使ったかき揚げが人気を持ちます。

14.里芋

調整されひげ根が取れたサトイモ/縁取り[黒]

少しぬめりをもった秋冬の煮物の醍醐味のひとつ里芋。そのイモは地下にある根であり、、、と話を進めるのが一番しっかりとくるかもしれませんが、そうは問屋が卸しません。里芋として普段食す芋の部分、実は『根』ではないのです。では一体なんなのか、それは『茎』なのです。つまりは里芋の本体それが食しているイモなのです、と意気揚々と言いたくなるものです。このような里芋のように、土の中、つまり地下部にある『茎』のことを『地下茎』と呼びます。地上部にある者だけが『茎』ではなく、『茎』は地下部にも存在しているのです。地上部にある『茎』からは、葉柄の付け根より「脇芽(脇芽)」と呼ばれる新芽が発生します。同じ『茎』である『地下茎』においても同様に脇芽の様に新たな『地下茎』部が発生します。そのような形で地下で本体を増やし続けていく里芋ですが、『茎』として考えたとしても、『茎』にしてはいびつな形をしています。このようなイモを『球茎(キュウケイ)』とも呼び、地上部に発生する茎部の下部に接続されます。あまりにも多様な成長を遂げる植物の、想像をを超える繁殖の仕方のひとつのように感じ、なかなか人体などで表現するのが難しく思えます。無理やりにでも表現すると、オカルトチックな発想を添えて、体に発生した傷やイボが人面瘡(人面層)となり、意思をもって成長していき、いずれ分裂して別個体としても成り立っていく様子とでも表現できるでしょうか。そのような奇怪で信じがたいような繁殖によりできたイモを持つのが里芋です。また、一部品種では里芋の葉のうち『葉柄』を「ずいき」や「芋がら」と呼び食用とする地方もあります。里芋はそのイモにも、葉にも、そのまま生で食してしまうと、接触したり経由した口や喉などが痒くなったり、ひどい場合には剣山で触られているような痛みが発生する毒をもっています。しっかりと水を使った加熱で解毒する必要があるので、大根の様に、むやみやたら簡単にホールフードを進めることはできないものの、楽しむことができる食材のひとつではあります。

地下茎(チカケイ)

いわゆる『茎』が地上部にあることをイメージしがちですが、地下部に生息している場合もあり、そのような『茎』が『地下茎』と呼ばれます。里芋の様に、地上部へは『茎』の姿を現さず『地下茎』が主力となっている種もあれば、地上部の茎もあり『地下茎』も発生させる種もあります。また、地表面を這うように伸びる「匍匐茎(ホフクケイ)」と呼ばれる茎もあるため、地上と地下の区分は明確ではないともいわれます。動くことができないとされる植物、縦方向、太陽に向かった方向に成長と侵略方向を広げるように考えられますが、地下茎の様に水平方向、太陽に向かえるエリアを広げる戦略もとれるとも考えられます。大きなあからさま動きはなくとも、忍び寄るような静的な動きが実は起こりうるのかもしれませんね。

球茎(キュウケイ)

地上へ伸びる茎の基に形成され、球状に丸く肥大し栄養を蓄えている地下茎を『球茎』と呼びます。その芽、つまり地上部への出発地点は一か所と定義される場合もあります。イモとしてみたときに、上下を定めやすい形態をしています。

15.ジャガイモ

ゴロゴロしたシャガイモ/縁取り[黒]

馬鈴薯(バレイショ)とも呼ばれるジャガイモ。様々な食べ方がある中、ポテトチップスとしてお菓子でも出会うこともあれば、そのデンプンは片栗粉などで出会うなど、野菜という界隈だけでは収まらない活躍をするジャガイモですが、いったいどこを食しているのでしょうか。こちらも土の中からゴロゴロと発生したものを収穫します。土の中だから『根』と思われる方もいるかもしれませんが、ここまで読んでいただいている方ならもしや感づいて『茎』とわかるかもしれませんね。そうなんです、ジャガイモも『根』ではなく『茎』、そして『地下茎』を食しているのです。また、『地下茎』のうち、その枝分かれた先端などに球状など様々な形で肥大した塊を持つ種類があります。その種類のひとつにジャガイモが当てはまり、『塊茎(カイケイ)』と呼ばれます。案外イモとつくものは『根』ではなく『茎』であることが多いものですね。植物の本体が『茎』であるという主張の様に、ジャガイモもイモが主体の様に見えてくるものですね。

塊茎(カイケイ)

地下茎の延長上、枝分かれ状の先端に形成され、養分や水分を蓄え太った茎が『塊茎』と呼ばれ、その形状は球状だけでなく様々な塊状のものがあります。役割や用途としては球茎と同様で、定義の仕方では『球茎』との区別がなくなるほどです。塊茎の場合には、地上部へ飛び出る出発点である「芽」が、塊茎上に複数個存在しています。

まとめ

今回は普段食すことの多い野菜の代表として、指定野菜たちに焦点を当てたうえで、植物としてのどこの部分を食べているのかを垣間見ていきましがいかがでしたか。意外や意外な部分を食べていたことを知れた方や、単純に野菜を食べたくなってきた方もいらっしゃりするでしょうか。植物も生き物なだけあって、様々複雑な機能を持ちパーツがあり、そのそれぞれがまた多種多様な役割を持つおかげで、我々の食文化は色とりどりの食文化を頂けていることが感じられますね。ただ野菜を食べるというのではなく、この野菜を今食べているというような、より深みをもった食の楽しみ方にも広がっていくのかもしれませんよ。
もちろん今回紹介した野菜以外にも、もっともっと計り知れないほどたくさんの野菜、そして果物、はたまた野草も含め植物はたくさんあります。その植物のそこは、その植物にとってどこなのか、意外な気づきや驚きがまだまだたくさん転がっているでしょう。ぜひそんな興味や関心を少し持ったうえで、次に会う野菜と出合ってみてはいかがでしょうか。定番は“苺(イチゴ)”ですよ。

キュッとしまった真っ赤なイチゴ/縁取り[黒]

どこの部分でしょうか?

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